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SDGsメールマガジンバックナンバーVol.6

これまでのSDGsメールマガジンのバックナンバーを掲載していきます。
今回は、2014年初!1月に発行された第6号です。


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           SDGsメールマガジン      
                     Vol.6 2014.1.9
                 環境パートナーシップ会議(EPC)
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 もくじ
 【1】国際動向特集 OWG now!第6回OWGの報告
 【2】国際動向特集 ポスト2015への新たな交渉プロセス
 【3】国際動向特集 OWGに向けての専門家レポート
           (ジェンダー・平等)
 【4】あの人に聞きたい! Chantal Line Carpentier, Ph.D.さん
 【5】国内の動き  「2015年防災世界会議日本CSOネットワーク」設立
 【6】国内の動き  外務省との意見交換会
           12/8 四国勉強会
           12/9 仙台勉強会
 【7】お知らせ   SDGs勉強会@東京
            Post2015シンポジウム ほか


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【1】国際動向特集 OWG now!第6回OWGの報告

2013年12月9日から13日までの5日間、米国・ニューヨークの国連本部にて
第6回SDGsに関する公開作業部会(OWG6)が開催されました。今回の議論の
テーマは、
1)実施手段(資金、科学技術、知識共有及び能力開発)、
2)特別な状況に置かれた各国のニーズ(アフリカ諸国、最貧国、内陸開発
途上国及び小島嶼開発途上国)、
3)人権、開発の権利及びグローバル・ガバナンス
が主要議題となり、その他に持続可能な開発のための資金に関する政府間
委員会での議論の報告や、持続可能な開発を実現させるためのグローバル
・パートナーシップに関する意見交換がありました。

 資金、科学技術、知識共有及び能力開発を含む実施手段に関する議論では、
多くの途上国が科学技術に対する高い期待を示し、またブラジル代表は
共通だが差異のある責任(CBDR)の原則に触れましたが、議長は「具体
的な目標やターゲットに反映するための提案を想像してほしい」との注文
がありました。日本は、特に途上国において国内の資金動員や税収確保が
重要であることを強調しました。

 また、人権や開発の権利及びグローバルガバナンスについて、多くの代
表が人権や開発の権利の課題は多数の課題にまたがる横断的課題であるこ
とに触れ、様々な事例や具体案を言及しました。日本代表も人権を尊重し
守る責任が国家にあることを主張し、人権について独立した目標を設定す
るより他の目標やターゲットと統合して考慮する必要があると強調しまし
た。

 以下の参考資料も、合わせてご覧ください。
・OWG協働議長による議論のまとめ(英文) http://bit.ly/KGi4Mt
・IISDによる会議レポート(英文) http://www.iisd.ca/vol32/enb3206e.html

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今後のOWGの予定は以下のとおりです。

○第7回 2014年 1/ 6~10
 -持続可能な都市、定住、持続可能な交通
 -持続可能な生産と消費(化学物質・廃棄物)
 -気候変動、災害リスク軽減
○第8回 2/ 3~7
 -海洋、森林、生物多様性
 -衡平の促進、社会的公正、ジェンダー平等
 -紛争予防、平和構築、恒久的平和

○OWGの報告書策定プロセスとして、第2セットのOWGが以下の予定で行われる
 予定です。
 -3/3~7、3/31~4/4、5/5~9、6/2~6、7/14~18


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【2】国際動向特集 ポスト2015への新たな交渉プロセス

 国連では新たな交渉プロセスがスタートすることが発表されました。
 OWG終了後に、国連総会議長主導でのSDGsの個別テーマに関するハイレベル
イベントやテーマ別討議が予定されています。

○ハイレベルイベント:対話式でマルチステークホルダーで構成された
パネルによるディスカッションをメインとする1日イベントです。各国政府
の高官が招待されます。
○テーマ別討議:3つのセッションがあります。マルチステークホルダーで構
成されたパネルによるディスカッションをメインとする1.5日のイベントです。

○各イベントのスケジュール及び議論のテーマ
2月 テーマ別討議(水、衛生、持続可能なエネルギー)
3月 ハイレベルイベント(女性、若者、市民社会の役割)
4月 テーマ別討議(パートナーシップの役割)
   テーマ別討議(平和で安定した社会の実現)
5月 ハイレベルイベント(南南・三角協力、開発のためのICT)
6月 ハイレベルイベント(人権、法の支配)
9月 ハイレベル・ストックテーキング・イベント
※各イベントの詳細な日程・登壇者等はまだ未定です。

詳細(英文)はこちら: http://bit.ly/1iVRM70


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【3】国際動向特集 OWGに向けての専門家レポート

 OWGに向けて、専門家によるレポート(Techinical Support Team(TST)
Issues Briefs)が発表されています。今回は「平等」に関する2つの
テーマについて、簡単な抄訳をご紹介します。

■ジェンダー(Gender Equality and Women’s Empowerment)

 ジェンダー不平等は世界で最も広範かつ差し迫った人権問題であり、MDGs等
の目標の成果が出ている部分もあるが、未だ全ての国のあらゆる分野において
存在している。ジェンダー平等の達成は貧困削減、経済成長、包括的で進歩的
な人間開発、良いガバナンス、平和の持続、環境と人間の調和へとつながる。
そのためには、以下の分野に取り組んでいく必要がある;教育、性と生殖に関
する健康と権利(SRHR)、女性への暴力、経済的機会、土地や自然資源等の生
産資産へのアクセスとコントロール、気候変動や災害への脆弱性、政策決定へ
の参加、家事(アンペイドワーク)等履行計画の欠如と求められる成果に対し
て政策が不十分だったことが、MDGsの教訓である。構造的要因を解決する多面
的な戦略・対策が必要で、単一の手法でジェンダー平等を達成するのは不可能
である。よって、ジェンダー平等に直接関係する目標だけでなく、他のさまざ
まな開発目標にもジェンダー平等の視点を取り入れ、マクロ経済、雇用、保健
衛生、環境、社会保障などの複合的な対策を進めていくことが必要である。
 目標が確実に達成されるためには、適切な履行計画、必要なデータの収集、
透明性と説明責任も重要となる。

全文(原文)はこちら
http://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/2396TST%20Issues%20Brief%20GEWE_FINAL.pdf


■平等と社会的公正(Promoting Equality, including Social Equity)

 人間生活のさまざまな面における不平等は、国家間でもそれぞれの国内でも、
未だ容認できないほど深刻な状態にある。MDGs等の開発目標により改善も見ら
れるが、これまでの目標は全体の割合や平均に注目していたため、最貧国や周
縁化された人々との格差はむしろ悪化した部分がある。不平等をなくすために
は、差別、雇用、社会保障、国際貿易体制などの構造的要因に取り組む必要が
ある。不平等の影響は差別・周縁化されている人々だけでなく社会全体にまで
及ぶため、不平等をなくすことが貧困削減、社会経済的発展、紛争解決等にも
つながる。
 不平等の問題をSDGsに組み込むには、①不平等を解消するための目標を作る
こと、②他の目標においても不平等を縮小していくような配慮をすること、の
両方が重要である。また、性別、年齢、地域などの区分ごとのデータを取り、
どの社会グループも置き去りにされないこと(not left behind)、中間的な
目標を設定し、不平等の解消が後回しにされないようにすること(not left until last)に留意する必要がある。

全文(原文)はこちら
http://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/2406TST%20Issues%20Brief%20on%20Promoting%20Equality_FINAL.pdf


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【4】あの人に聞きたい!  Chantal Line Carpentierさん
  (国連経済社会局 メジャーグループプログラムコーディネーター)

国連経済社会局で、国連側とメジャーグループを結ぶ「メジャーグループプロ
グラムコーディネーター」として活躍されているChantal Lineさんにお話しを
伺いました。

Q:SDGs策定プロセスにさまざまなステークホルダーが参加する意義とは?
 さまざまなステークホルダーが参加することが、ポスト2015年開発目標・
SDGsの策定の成功要員です。リオ+20を含むリオ地球サミットからのサステナ
ビリティ議論は主に環境系の団体は人々が牽引してきました。一方、MDGsに関
する議論は、開発系の人々が牽引してきた経緯があります。現在進行中のポス
ト2015年開発目標/SDGsの議論には、障害者や高齢者の団体など、新たなグル
ープが積極的にロビーし、その参画を求めています。つまり、SDGs策定は、よ
り広く、大きな、より広いパートナーシップの構築の契機となる可能性を秘め
ていると言えます。

続きはこちら>> http://www.epc.or.jp/summit/item.php?itemid=313


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【5】国内の動き 「2015年防災世界会議日本CSOネットワーク」設立

 NGO/NPOネットワーク組織等10団体が呼びかけ団体となり、2015年3月に仙台
で開催される「第3回国連防災世界会議」に向けた市民社会のネットワークと
して、「2015防災世界会議日本CSOネットワーク(通称:2015日本CSOネット)」
が設立されます。

 リオ+20の成果文書においても言及された防災、そして現存する世界唯一の
国際的防災指針「兵庫行動枠組2005-2015(HFA)」。
 2015年には、今後の防災についての指針を話し合う防災世界会議が仙台で開
催されます。

 HFAの策定時、市民からの参加が極めて低く市民の声が十分に反映されませ
んでした。また、政策と現場の溝が埋まらないなどといった課題が問題視され
ています。
 この反省にたち、2007年に「地球市民社会の防災ネットワーク(Global
Network of Civil Society Organizations for Disaster Reduction:GNDR)」
が設立されました。
 災害大国日本の市民からも、世界の防災政策に役立つ知見の提示や提言が求
められていると言えます。

 2015日本CSOネットでは、以下の2点を活動目標に掲げています。
(1)東日本大震災に置ける日本の市民社会や草の根の経験を防災世界会議で
共有し、今後、国際的に活かす一助とする
(2)世界防災会議とポスト兵庫行動枠組み(HFA2)の中で、原発リスクをよ
り積極的に取り扱うよう主催者や共催者に求めていく

 リオ+20の成果文書交渉では、NGOや女性メジャーグループらがこう
いった点を積極的に発信してきましたが、防災に関しては「人災」という
言葉が交渉の過程で削除され、また原発に関しては一切触れられないと
いう結果に終わりました。
2015年の防災会議は日本で開催されることもあり、市民からの政策提言を反映
させるよい機会とも言えます。


1月10日に設立大会が開催されますので、関心のある方は是非ご参加ください。
 
【設立大会】
日時:2014年1月10日(金)14時-16時
場所:東京都新宿区西早稲田2-13-18アバコビル6階

【問い合わせ先】
2015防災世界会議日本CSO ネットワーク 設立準備事務局(担当:堀内、田島)
 特定非営利活動法人 国際協力NGO センター(JANIC)内
 TEL:03-5292-2911 / FAX:03-5292-2912
 Email:wcdr3cso@janic.org

 ネットワーク設立に先立ち、NGO有志から
「日本の市民社会から2015年以降の災害リスク軽減体制への提言~東日本大震
災の経験に基づいて~」も作成されています。  http://www.janic.org/earthquake/drr/gpdrr/cso_teigen_jpn.pdf


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【5】国内の動き レポート

 SDGs/ポストMDGsに関して、国内のNGOが様々な取り組みを行われました。
その中から、ピックアップしてレポートします。

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●ポストMDGs/SDGsに関する外務省とNGOの意見交換会

【日時】12月19日(木)11:00~12:00
【場所】外務省会議室

 12月19日に、CSO有志の呼び掛けにより、SDGsに関する外務省との意見
交換会が開催されました。意見交換会には市民側から30名ほどが参加し、
「ジェンダー」、「生物多様性」、「防災と気候変動」、「不平等・格差」
について話し合われました。
 SDGsについては、貧困撲滅という大きな文脈で、グローバルな視点から
考えていくことが大切であるとの認識が共有されました。
 今後も、開発・環境両NGOが連携し、効果的な提言を行えるよう、
こういった意見交換の場を継続して設けていけたらと思います。

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●つなげよう! 日々の暮らし・活動×持続可能な世界の開発と行動
   ~地域の課題と、地球規模の課題のつながりから~
    (持続可能な開発目標(SDGs)セミナー in 高松)

【日時】12月8日(土)10:00-12:00
【場所】高松市男女共同参画センター第3会議室
【主催】環境パートナーシップ会議(EPC)、
    四国EPO(四国環境パートナーシップオフィス)

 12月8日(日)に高松市にて、主に生物多様性問題に取り組んでいる地域の
NGOを対象とした地域勉強会が開催されました。以前から四国では地域の自然や
環境を守ろうと、特に生物多様性の保全に関わる活動が大変盛んです。
地球規模の環境問題や持続可能な開発目標(SDGs)と地域が直面する様々な課
題をリンクさせ、地域で必要な活動とその経験をどのように世界中に発信する
かについて勉強会が行われました。参加者は、四国各県から環境活動や地域活
性化に取り組んでいる活動家約30名が集いました。
 
続きはこちらから
イベントレポート>> http://www.epc.or.jp/summit/item.php?itemid=311

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●リオ+20セミナーin仙台
 『リオ+20 Before After 
  ~ハタチを振り返る、地球サミットからの20年~』

【日時】12月9日(日)18:30-20:30
【場所】東北大学片平キャンパス北門会館2階エスパス
【主催】環境パートナーシップ会議(EPC)
【共催】公益財団法人みやぎ・環境とくらしネットワーク(MELON)
 12月9日(月)に仙台市にて、昨年行われたリオ+20を機に、地球サミットが
行われた1992年から現在までの20年強を振り返り、またこれからの20年につい
て考えることをテーマとして、リオ+20セミナーが行われました。
 最初に、東北大学大学院文学研究科教授、公益財団法人みやぎ・環境とくら
しネットワーク(MELON)理事長の長谷川公一先生より、「世界・日本・地域の
20年、これからの20年~環境問題と市民活動の歩み~」という題名で基調講演が
ありました。

続きはこちらから
イベントレポート>> http://www.epc.or.jp/summit.item.312/sdgs.html


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【6】お知らせ

●持続可能な開発目標(SDGs)セミナー in 松山
【日時】2014年1月26日(日) 10:00-12:00 (9:45開場)
【場所】松山市内(決まり次第下記URLにてお知らせ致します)
【主催】環境パートナーシップ会議(EPC)、
    四国EPO(四国環境パートナーシップオフィス)
【詳細】http://www.epc.or.jp/summit.item.309/sdgs.html

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●ESDイヤーキックオフイベント
【日時】2014年1月13日(月・祝)13:00-18:00(12:30開場)
【場所】ウインクあいち大ホール(名古屋市中村区)
【主催】ESDユネスコ世界会議あいち
【詳細】http://www.esd-aichi-nagoya.jp/pdf/04_ESDYKO.pdf

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●関東ESD学びあいフォーラム
なぜ今、ESD環境教育が必要か? どうすれば実践できるか?
~学校、企業、地域で明日から実践できるESD~
【日時】2014年2月8日(土)13:00~16:30
【場所】東京ウィメンズプラザホール(全体会)、視聴覚室・GEOC(分科会)
【主催】環境省関東地方環境事務所、
    関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)
【詳細】http://www.geoc.jp/news/21978.html

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●環境研究総合推進費S-11・Beyond MDGs Japan合同公開シンポジウム
ポスト2015年開発アジェンダ
-持続可能な開発目標(SDGs)とポスト・ミレニアム 開発目標(MDGs)の統合へ向けて
【日時】2014年1月17日(金) 13:00~18:00(12:30受付開始)
【場所】イイノカンファレンスセンター 4F Room A(千代田区内幸町)
【主催】国立大学法人 東京工業大学
【共催】Beyond MDGs Japan、国立大学法人東京大学大学院教育学研究科、
    国立大学法人東北大学大学院環境科学研究科、
    公益財団法人地球環境戦略研究機関、国連大学高等研究所
【詳細】http://www.post2015.jp/sympo-2014/

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 発行:一般社団法人 環境パートナーシップ会議(EPC)
 編集:編集チーム
    (北橋みどり、江口健介、姜そんう、今井麻希子、福島宏希、西本多恵)
 URL:http://sus-cso.com/ E-mail: rio20@epc.or.jp
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