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環境パートナーシップ会議 設立にあたって

18世紀にイギリスで興った産業革命以降、人類は地球上の自然資源を大量に利用し、とりかえしのつかない事態にまで地球環境の悪化を導いてしまいました。1972年の「ストックホルム会議」、1992年の「地球サミット」を経て、私たちは「持続可能な開発」「パートナーシップ」「多くの主体の参加」というキーワードを手に、地球環境保全活動の推進に努めてまいりました。しかしながら、とどまるところを知らない経済活動や政治情勢など、さまざまな要因も手伝って、地球環境は更に悪化しつつあるのが現状です。

今後、環境保全活動をより実効性のあるものにしていくには、現状の意思決定の仕組みよりも、より効果的な手法を創り出していくことが肝要と考えます。単独の組織では解決できない課題について、多様な主体(マルチステークホルダー)の参加によってプラットフォームを形成し、そこで得られた成果や知見をまとめ、新しい状況に対応するパートナーシップの手法やシステムの開発、社会環境整備に関する提案、人材育成を行う場を創ること、異なった文化を持つ主体をつなげるための、コーディネートを行うことが必要と考えています。

このような仕事をすることが私たち市民の社会的責任と捉え、「有限責任中間法人環境パートナーシップ会議(EPC)」を設立しました。市民、企業、行政という主体の違いを超え、様々な人が集い、プロジェクトを生み出したり、パートナーシップを結ぶお手伝いをしたりということを通じて、持続可能な社会づくりに貢献できたらと切に願っています。例え長江のような大河であっても、全ての川は大地から滲みだした滴が集まって出来るものです。有限責任中間法人環境パートナーシップ会議は始まったばかりで、まだ小さな泉に過ぎませんが、皆さんの共感を得て「環境パートナーシップ」という大河に、共に成長していく事を願っています。EPCは、出会いの場を作り活動することによって、新しいパートナーシップを生むことに存在価値があります。こうした取り組みの成功が、地球や人類の未来の、希望を広げるものだと確信します。


平成18年12月
一般社団法人 環境パートナーシップ会議
代表理事 廣野良吉