本文へ

イベントレポート–SDGsと持続可能な地域

イベント参加報告:
SDGsと持続可能な地域~ユースによる未来への提言に向けたキックオフ!~
(国際青年環境NGO A SEED JAPAN主催)

 日本最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタ」が開催された10月5日(土)の夜、ユースによるSDGsの勉強会が開催されました。国際青年環境NGO A SEED JAPAN主催のこのイベントでは、『「環境・持続社会」研究センター(JACSES)』の小野田真二さん、「United Youth」の福島宏希さん、A SEED JAPANの鈴木亮さんから講演と話題提供がありました。その上で、これから地域社会を持続可能にしていく中で、NGO、そしてユースとして行うべきことを会場全体で考えました。
 最初に、基調講演として小野田さんより、リオ+20における決議事項を起点として、SDGsについて現在決まっていること、課題、今後のスケジュールについて解説して頂きました。この中で議論の先行している「ポスト2015開発アジェンダ」の解説や、SDGsのオープンワーキンググループの構成などにも触れられ、SDGsに関する状況の全体像を短時間で知ることができる内容でした。
 次に、福島さんより、海外ユースの活動事例を参考として、ユースが持続可能な社会づくりに対して何を行っていくべきなのか、というテーマで講演がありました。リオ+20、気候変動交渉(COP)、国際的気候変動キャンペーンなどの海外ユースによる活動の事例紹介が行われた後、日本の若者の多くが社会に対して影響を及ぼすことができないと感じている現状が紹介されました。現状を打破するために、「小さな成功体験を積める社会環境を創ること」「若者が社会へ声を強く発信できる仕組みを整える」という二つの提案がなされました。
 最後に、A SEED JAPANの鈴木さんより「持続可能な地域目標(SCGs)」の提案がありました。これまでの環境破壊型の経済を「ブラウンエコノミー」、厳しい規制のもと、より責任ある経済活動のあり方を模索する「グリーンエコノミー」、そして先住民族や小規模有機農業生産者が守ってきた永続的な暮らしを「ライフエコノミー」と定義し、ブラウンエコノミーの割合を大幅に減らし、ライフエコノミーの割合を増やしていくことが求められているという提言がなされました。その上で、「協力・連帯」「平等・対等」「環境・多様性」「開発・持続可能性」「行動・生活」の5本の柱からなる「持続可能な地域目標(SCGs)」の骨子案が発表されました。
 質疑応答およびフロアも含めたディスカッションでは、遠い存在に思えてしまうSDGsの議論に、どのようにアプローチすべきかという点がまず議論になりました。SDGsの議論の枠組みを子細に見て行くと、ステークホルダー(メジャーグループ)ごとにアプローチする方法と、各国政府に働きかける方法の2種類があり、日本の若者でもSDGsへ意見を反映させていくことは可能であることが分かりました。また、国際的で専門的な内容であるSDGsを、現場のボランティアが理解し、活動に活かすためには、間に立って「翻訳」する人が必要であるという意見も出されました。
 これからもこのようなユースによるSDGsに関する自主的な勉強会を開催し、意見を積極的に発信していこうということで勉強会は終わりました。


【開催概要】
○タイトル:SDGsと持続可能な地域~ユースによる未来への提言に向けたキックオフ!~
○日時:2013年10月5日(土)18:30~20:45
○会場:中央区立環境情報センター
○対象者:環境・貧困・その他国際問題等に関心のある学生・社会人、NGO/NPO関係者、マスコミ関係者
○主催:国際青年環境NGO A SEED JAPAN(未来生活nowプロジェクト)
【プログラム】
・オープニング
・基調講演「Rio+20からのSDGs議論の整理」小野田真二氏
・講演「ユースと持続可能な社会~海外ユースから学ぶこと~」福島宏希氏
・話題提供
  「持続可能な地域目標(SCGs)を日本から世界へ提言する」鈴木亮氏
・質疑応答
・パネルディスカッション
  「持続可能な地域社会を作るための、NGO・ユースとしてすべきこと」
・クロージング