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2023年度 真如苑 環境保全・生物保護 市民活動助成“地球・自然・いのちへ”助成団体レポート

真如苑助成 INDEX

2023(令和5)年度 助成団体レポート

 

【助成概要】

団体名 (特活)ホールアース自然学校
団体所在地 静岡県富士宮市
プロジェクト名 「生物情報集積用GISシステムの構築」及び「情報集積による”見える化マップ”の作成」を土台とした、市民主体による富士宮市の生物多様性の価値や課題、保全可能性の検討
助成額 750,000円

【活動の背景】
 生物多様性の保全に向けた世界目標として「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、環境省が自然共生サイトの登録を開始するなど、生物多様性への関心が国内外で高まっています。
 これまで地域に分布する生物の情報などは、生物種であったり、様々な団体により調査が行われるなどで、全ての生物種の情報を一元化することは難しいとされてきました。それが近年、GIS(デジタル化された地理情報システム)の普及が進み、またスマートフォンのアプリを利用してGISにGPSデータ、日時、写真などを簡単に入力できる技術が進んできました。これにより広大なエリアにまたがる生物調査を、一般の方でも調査に参加することができるようになりました。こうした状況を踏まえ、ホールアース自然学校では「生物情報集積用GISシステム」を新たに構築することとなりました。

 

【活動の概要】  
生物情報集積用GISシステムの構築

今回の助成により、上図のような「生物情報集積用GISシステム」を新たに構築しました。これによりスマホやタブレットを使ってGISシステムに位置、日時、画像等の情報を送信することができ、専門家でなくても誰でも気軽に生物調査に参加することが可能になりました。生物調査は、調査範囲も広く多くの人手が必要になることから、調査者が増えることで、より多くのデータが蓄積しやすくなります。これは単に、生物情報のサンプル数が増えるというメリット以外に、参加者の自然への関心の向上、市民・行政・企業の連携促進など、多くの効果が期待されます。

自然観察体験会及び情報収集方法講座の実施

企業向け、一般市民向けでそれぞれに説明会を開催し、実際にアプリをスマホにインストールし、「生物情報集積用GISシステム」に生物情報のデータを入力しました。企業は自社が保有する緑地などの生物多様性の豊かさを数値するというニーズがあります。また一般市民向けでは親子が楽しみながら活動に参加することで、自然に関心を持つ人材の育成に繋がります。

 

【活動の様子】
 2024年2月10日(土)に開催された、「いきもの調査隊」の活動に参加しました。当日は富士宮市を中心に、10歳前後のお子様を連れたご家族が多く、31名にご参加いただきました。午前中は室内で調査の意義やアプリのインストール、使い方などを説明し、外に出て調査対象となる生物の説明などを行いました。
 午後は、外に出て実際にアプリを使って調査を行い、登録した数や種類の多さを競うなどゲームの要素を取り入れて、楽しみながら参加できるように工夫されていました。この前日には、主に企業を対象にした説明会が開催さました。今後は、このGISシステムを用いた調査者を増やし、富士宮市周辺の生物情報が蓄積されていくことが期待されます。