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【レポート】地球の持続可能性に関するハイレベル・パネル(GSP)サイドイベント



東アジア低炭素成長パートナーシップ対話 関連サイドイベント議事メモ
「強靱な人々、強靱な地球:選択の価値ある未来」




 地球の持続可能性に関するハイレベル・パネルとは? 
 http://unic.or.jp/unic/press_release/2556

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2012年4月16日(月)午前10時~正午
国連大学エリザベス・ローズ会議場

プログラム:
開会挨拶
・ 鳩山由紀夫 衆議院議員、元総理大臣、GSPメンバー
・ 高山議員(細野豪志環境大臣代理)

パネル・ディスカッション
・ アレクサンドル・ベドリツキー ロシア連邦大統領顧問、気候変動問題特使、GSPメンバー
・ 鳩山由紀夫 衆議院議員、元総理大臣、GSPメンバー
・ 崎田裕子  リオ+20国内準備委員会共同議長
・ チュン・ラエ・クゥオン 国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)環境と持続可能な開発部長
・ 浜中裕徳  財団法人地球環境戦略機関(IGES)理事長、元環境省地球環境審議官
・ 鮎川ゆりか 千葉商科大学政策情報学部教授、元WWFジャパン気候変動問題特別顧問

モデレーター:ヤノシュ・パストール GSP事務局長

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【あいさつ】

鳩山氏よりあいさつ:

ー2年前総理に。温暖化ガスを25%削減すると発言。
ーその後パンキムーン国連事務総長に呼ばれて、ハイレベルパネルを作ることを知らされ、招待された。
ー5、6会の会議を経て、ハイレベルパネルのレポートが完成。
ー持続可能な社会というと、日本では環境と受けとめられがちだが、世界ではどうやって貧困層の人が、生活していくかという議論。
ーグリーン成長が鍵。東アジアが持続可能な社会をつくっていく。
ー今日はポジティブな議論にしたい。

高山議員よりあいさつ(細野環境大臣代理):
ー東日本大震災、原発事故。一丸となって復興に向けてがんばっている。各国の支援に感謝。
ー東アジア会議。-低炭素社会のために、政府、地方、NGO、各国官僚と細野大臣が意見交換。
 日本の協力・支援を踏まえて、東アジアの適応能力の向上について細野大臣がプレゼンを行った。
 低炭素社会の実現は持続可能な社会に向けてきわめて重要。
 温暖化ガス排出の削減も行う。
ーRio+20は、持続可能な社会の3本柱について話し合う重要な会議。
ーGPSのレポートは非常に重要。


【発表】

ヤノシュ・パストールGSP事務局長より発表:
ーなぜGSPに学問の専門家の参加が少ないのか。
 政治を行っている当事者の意見を集めることが目的だった。
ーレポートについて:
 セクション1では参加者の言葉がそのままのっているので、ビジョンを読み取るのにぜひ読んで欲しい。
 各セクションの内容:
 empowering people to make sustainable choices
changes in economy
strengthening institutions and governance
ーinvestment have to be about the future.
ーGDP is fine, but it is not enough. environ and social issues have to be addressed. science is key.

アレクサンドル・ベドリツキー ロシア連邦大統領顧問より発表:
ー人間の活動の結果、環境の破壊。人間はお互いに依存を高めている。
ー持続可能性の新しい先進的経済が必要。
 今まで、異なった言葉で話し合ってきた。共通の言語で持続可能性を話し合っていかなければ鳴らない。
 経済の周辺で起こってきた持続可能性に関する議論を中心にひきつける。持続可能性のパラダイムを変えて、指標の中に入れていかなければいけません。
 経済を変えるコスト VS 変えないコストは明確。
 議論と政治的意思が必要。
 貧困の撲滅、格差の削減、生産と消費の合理、気候変動、など様々な世界の問題。
ー20世紀後半、ブルントラント、成長の限界への疑問から持続可能というコンセプトが出てきた。
 多くの科学者は地域にある閾値を意識。それを超えると受け入れられないことが起こってしまう。バイオスフィア、気候など。
 人間がもたらす科学的知見が集まっているが、包括的情報はありません。
  プラネタリーバウンダリーと言い始めた。これを超えると、不可逆的、急速な変化。
   生物多様性、バイオディオケミカル、大気オゾン層の枯渇、海洋の参加、土地の利用の変化、大気の汚染、化学物質による環境汚染。
  データ収集の仕方。
ー研究開発を持続可能な経済を行うために行っていく。
 研究開発への投資の必要性、特に農業。
 先進的知識を現場に落とす仕組み。
ー持続可能な新しい政治経済をつくる必要。
 経済を刺激するために科学的実証が必要。
 経済指標だけでは、環境にどのような影響をもたらしているのか、コストを充分に把握できない。新しい指標が必要。
ー事務総長からテクニカルソース。適切な指標を設けることを期待する。
 全般的提言。世界レベルのイニシアティブ。政府・科学界の間の関係強化。
 
鳩山氏より発表:
ー持続可能であるためには、密接に関連している経済活動と社会生活、環境の3つの柱の調和が必要。
ーグリーン成長について理解が高くない。
 より少ない資源でより高い成長ができれば、途上国にとってもよい
ー日本では世界に環境に優しい製品を送り出す。エコプロダクツ展を開催している。
 スマートグリッド、スマートシティ
ー人材育成。消費者への情報提供。
 日本として、東アジアの国々の人の人材育成に積極的に協力するべき。
ー人間の安全保障の重要性。
 物理的な豊かさではなく、人々のWellBeing(幸福)のための新しい指標が必要。
ー市民セクター、先住民、民間、様々な参加が必要。グリーン成長は政府だけで達成できるものではない。
 絆、友愛

崎田氏より発表:
ー国内準備委員会。共同議長。
ー国内準備委員会とは、9つのメジャーグループ
ーインプットの内容より、グリーン復興。
 社会、経済、環境の柱に+文化を追加。歴史・地域性の尊重の精神が包含される。
ー政治的決意を実現するにあたってのポイント
 2.都市づくり
 3.経済性・雇用の確保
 4.生物多様性10年の推進。農産・漁村地域の活性化
 5.政府の主体性のあるメカニズムの担保
 6.ツール
 7.革新的資金メカニズム
 8.テクノロジー製品の世界へ
ー世界の人々が参加しやすい、具体的、わかりやすい社会づくりを期待する。
 低炭素社会の実現という目標に向かって、市民が主体的に動く。


チュン・ラエ・クゥオン 国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)環境と持続可能な開発部長より発表
ーGreen Growth is new language&new tool. puts SD into mainstream economics
 gov’t need to go beyond narrow term. new understanding of wealth.
 56 recommendation of the report is for dev countries for growth and poverty.
 low carbon can eradicate poverty, and also achieve SD.
  japan is best practise of ecological efficiency.
  ecological efficiency vary.
  there are different economic growth.

浜中氏より発表(地球環境戦略機関(IGES)理事長、元環境省地球環境審議官)
ーハイレベルパネルのレポートの重要性について。
 グリーン成長により、新しい市場、価値、職が作られる。
 環境と社会にかかるコストをしめしてほしい。
ーアジア太平洋地域でのSDGsのスコープを目指している。
ーグリーン経済、IFSD、レジリエンスに関してのIGESのアウトプット。7月に白書を提出予定。
 ポリシーブリーフ、政策メッセージの発信も行っている。リオで複数サイドイベントを開催予定。
 リオ後、ISEPアジア太平洋会議を7月に行う。IFSD、グリーン経済、気候変動の今後について。

鮎川ゆりか氏より発表(千葉商科大学政策情報学部教授、元WWFジャパン気候変動問題特別顧問)
ー成長追求型の資本主義パターンがこれまでの問題
 沢山を消費して捨てて、資源を破壊・貧困を悪化するモデル。
ーレポートについて、
 レポートの内容はいままでいわれてきたことと
 成長の問題点について触れていない
ー政府がもっと本気に、コミットする必要。
 20年前に戻るのではなく、40年前、本当に人々が環境について本気だった頃を振り返る必要がある。
ー脱・成長が必要。
 消費の縮小。
 これは、モラルの問題でもある。社会・貧困にどう対応するか。きれいな水と衛生。
 先進国が、変わる必要。経済が発展のパラダイムシフトで変わること。
ー企業の社会的責任。
ー鳩山氏が総理になるまで、日本の政府は気候変動を無視し、日本の経済成長のみを考えていた。鳩山氏によって、政策が変わった。
 しかし、現在また産業界は25%の削減目標をギブアップしようとしている。
 日本は持続可能な社会へ進んでおらず、ましてや世界をリード・貢献はできていない。
 鳩山さんへ、日本がコミットするようにイニシアティブを取るようお願いする。すぐに。
 持続可能な経済へシフトができてはじめて、日本は世界へ持続可能な社会のモデルとなれる。
ー持続可能な社会はローカルのつながり。
 各地域の指標は異なる。
 福島の放射能汚染を受けた土地。
 未来のために、日本の今の資源をきちんと計測し、それがどれほど再生可能で、将来へどう残すのか。
ー持続可能な社会とは、今の世代と未来の世代のコンプロマイズを見つけることである。

 チュン氏のレスポンス:
 → 資源利用の効率化&消費を削減した新しい成長なのだ。

 鮎川氏のレスポンス:
  →前半の発表内容に応じて自分の発表を変えるべきだったのですが。
   成長のあり方の変革が必要ということに賛成。
  →レポートに対していいたいことは、そこで提案されているソリューションを各国が実現することになっていないこと。

【参加者よりQ&A】

廣野氏
ーレポートのレコメンデーションはアクセプトするが、1点コメント。
ー全ての先進国では、”ポピュリズム”に基づくデモクラシーで意思決定がなされる。
 人々は、自分のために、判断する。その時、社会、国の経済のことは忘れてしまう。
 これを、どう解決するのか。

松原氏
ー日本は当事者意識が強い。3.11後の再生可能エネルギーへの関心。日本は資源が少ない。
ー東アジアの持続可能な社会づくりの話について、資源の多い中国やロシアと、日本や韓国はお互いのメリットを持ってどのような議論が行われているのか。

カシナー氏
ー科学コミュニティーの参加は、国連のプログラムの中で具体的にどのように取り組むのか。

崎田氏(コメント)
ーこれからの社会をみんなでつくる。
 経済の中に環境を入れることで、持続可能な社会をつくっていくというビジョンを共有し私たちが行動を起こせること。
 心豊かに暮らし、それを発展に結びつける。