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2024年度 真如苑 環境保全・生物保護 市民活動助成“地球・自然・いのちへ”助成実施報告

真如苑助成 INDEX

2024(令和6)年度 助成実施報告

出捐者の皆様からのご寄付により、令和6年度は10団体に総額750万円の助成を実施し、環境保全の活動に役立てていただきました。誠にありがとうございます。

団体名 実施地域
プロジェクト名 助成額

1

NPO法人おおいた環境保全フォーラム 大分県豊後水道沿岸域
命をつなぐ!ウミガメ・レスキュー&リハビリテーションプロジェクト 1,000,000円
本助成プロジェクトは、絶滅危惧種ウミガメの保全を目的とし、錯誤捕獲され衰弱した個体を一時的に保護飼養し、治療、調査を経て野生復帰させる我が国初のプロジェクトです。また保護飼養から野生復帰までのプロセスをSDGs海洋環境教育のプログラムとして活用し多くの人たちが体験、学習することで海洋環境の保全意識の普及啓発に寄与、貢献することを目標としています。

2

全国風穴ネットワーク 全国
第10回全国風穴サミットin紀伊田辺の開催と記録集の刊行 830,000円
風穴小屋による蚕種孵化調整技術は日本の第一次産業革命をけん引した生糸業の発展を支えました。こうした先人らの知恵である風穴の自然エネルギー利用の再生と、風穴地特有の生態系(高山性動植物の棲息)の調査と保全を2本柱に、全国の実践団体・個人、研究者が交流を重ね、第10回全国風穴サミットin紀伊田辺を97名の参加で開催しました。これを記念し、最新の全国風穴小屋マップ等を収録した記念冊子『風穴を知っていますか?』を刊行しました。

3

NPO法人ホールアース自然学校 静岡県富士宮市
「市民参加型GISシステムのカスタマイズ・スマートフォンを用いた情報収集・一元化されたデータ閲覧用のプラットフォーム公開」等の取組みによる、市民・行政・企業等の富士宮市の生物多様性の保全及び利活用可能性の検討 1,000,000円
ArcGISというアプリを用いた生物調査を開催しました。昨年度の「イベントを介した特定少数による参加」に対し、今年度は「チラシ・LINE・HP等を介した不特定少数による参加」を促すプロジェクトを実施しました。イベントに比べ動機付けが弱かったためか、一般の方々の参加を促すことができませんでした。一方で、2年をかけて構築した市民参加型調査の枠組みについては、富士市・富士宮市の企業・行政に高い関心が生まれ、各主体の施策に取り入れ利活用するための検討がスタートしました。

4

NPO法人みらい建設部 静岡県裾野市、三島市
子どもも大人も取り組む!竹を高付加価値化し、里山の環境を保全する活動。 990,000円
生物多様性の崩壊や自然災害の要因、動物の住処などとして全国的な地域課題となっている荒廃竹林の整備をタケノコの食材化(純国産メンマ)やチップにした竹のたい肥化、竹炭製造による土壌改良材利用などを組み合わせて実施しました。活動には子ども達や地元高校生、ビジネス世代、高齢者世代など幅広い年代の人が関わり、活動を通した人間関係作りもできました。今後も活動を続け、地域の人が繋がりの中で、環境を保全していく取り組みを続けます。

5

NPO法人環境保全教育研究所 長崎県長崎市
里山で広がる放置竹林について、定住者と関係人口の意識調査と竹林を取り巻く環境保全問題の改善へとつなげる活動 900,000円
長崎市田手原町では、筍の販路喪失や所有者高齢化により竹林の放置が進み、環境悪化や生態系への影響が懸念されています。 放置竹林の拡大や自然保護機会の減少といった環境課題、土地管理者の高齢化や地域交流の減少といった社会課題の解決を目指します。地域住民や関係人口への意識調査、竹林面積やカスミサンショウウオの生息状況調査を実施。加えて、竹林整備体験や竹灯籠ワークショップなどのモデル活動を通じ、保全意識の向上と地域行事への活用、世代間交流の促進を図りました。

6

PONDALIZE実行委員会(通称:沼タイズ) 埼玉県比企郡
沼の生物文化多様性の市民調査とLiving Laboratory運営を通じた持続可能な地域づくり 600,000円
生物文化多様性を基盤とした生産と生活の場である埼玉県比企丘陵の日本農業遺産において、【1】滑川町のCPGを拠点に、Living Laboratory創成の第一歩として「まちライブラリー」の空間整備と沼タイズ3年間の歩みをまとめた冊子を作成しました。【2】ときがわ町を中心に「山の神/田の神」をテーマに比企丘陵ソングラインのフィールド調査を行い、短編連作物語と絵画の作品創作を行い、展覧会を開催して活動記録の小冊子を作成しました。

7

NPO法人ねっとわーく福島潟 新潟県新潟市福島潟及びその周辺地域
北限のオニバスをはじめとする福島潟の希少種の保護と水辺環境の充実 800,000円
新潟市はラムサール条約湿地自治体認証を受けた国内最初の都市です。福島潟は県内の最大の潟湖で周囲の水田とともに広大な水辺があり多くの動植物が生息しています。オニバスをはじめ水辺の植物を身近で観察できる自然学習園づくりを通して福島潟の豊かさを日々感じて作業をしています。特に若い世代とともに木道づくりや調査活動を実施できたことは大きな成果です。活動を通してあらためて元気をもらえる機会となりました。ありがとうございました。
助成事務局による取材レポート

8

海の環境教育NPO bridge 福岡県北九州市
海を守れ!海洋環境保全アクションを起こす市民の輪プロジェクト 900,000円
海洋学習指導者養成講座in北九州〜海を活かした学びの場をつくろう〜」を開催し、九州全域、山口県、沖縄県から34名の方にご参加いただきました。また体験型海洋学習教材として横2m×縦1.5mサイズの「藻場のジグソーパズル」を制作しました。教材は海洋学習教材サイトLAB to CLASSより無料で利用できます。今後各地で海を楽しく学べる場が増え、海を守るために活動する人々が増えることが期待されます。

9

Five_up_SENDAI 宮城県仙台市及び災害発生地域
耕作放棄地と森林を整備し、キャンプ場等の遊び場造りや環境保全活動の練習場を整備する活動 230,000円
今年度、森林整備をスタートさせるにあたり、いただいた助成金を有効に活用させて頂きながら、今年度の事業を円滑に進めることができました。山が、人が集まる癒しの空間となり、被災地でも一人でも多くの人に生きる希望を与えることができるよう、今後も精進を重ねて参りますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

10

一般社団法人グリーンエバー 東京都 西多摩地区
日の出町大久野における農地(畑・水田・梅林)と山林の保全活動 250,000円
地域で長く維持されている谷津田での無農薬栽培の稲作を、赤ちゃんから大人まで、地元の方から都内の参加者もみんなで一緒に手作業で実施しました。伝統的な稲作に関連する技術(苗づくり、田植え、田の草取り、稲刈り、ハザかけ、脱穀、餅つき)を体験することと、田んぼや周囲の里山で生活している生物の多様性の観察・保全の活動を両立させて、地域の環境の豊かさを保全していくとともに、農産物を子ども食堂への提供や地元開催のマルシェに出店することを通じて、地域社会を盛り上げる活動を今後も続けていきます。