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【レポート】 リオ+20第2回国連準備会合

UNCSD Rio+20 2nd Intersessional参加報告
12月15日(木)~16日(金) ニューヨーク国連本部

|報告書内容
① リオ+20第2回準備会合レポート
② 現地会合・イベント&ロジについて
③ サイドイベントレポート


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|報告① リオ+20第2回準備会合レポート

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オープニングセッション


共同議長:John Ashe (Antigua and Barbuda)、Amb. Kim Sook (Republic of Korea)、Tariq Al-Ansari, Deputy Chef de Cabinet, Office of the President of the General Assembly)

この会合が、11月にインプットされた6,000ページの文書について議論する始めての場となること、この結果が2012年1月に発表されるリオ+20成果文書のゼロドラフトのガイダンスとなると述べた。
リオ+20の成果文書は、期限と具体的な目標を持った結果を実現する行動計画であるべきだと述べた。
また、市民セクターの当日参加の方法について、ECOSOCとWSSDのAccreditationを持っている団体の参加と、リオ+20用のAccreditationを行うことを提案し、異議なしにより採択した。



Mr. Sha Zukang氏によるCompilation文書の説明

リオ+20の成果文書のフォーマット、構成および内容について以下3点を述べた。テキスト

1. スムースな交渉のための成果文書のフォーマットと構成の理解の必要性。
2. GA 64/236文書を元に、成果文書をつくっていくということ。
3. 11月のインプット内容を報告。
 以下:
 ・国際開発目標が開発途上国、先進国で必要とされておりSDGsの記載が多い。
  「共通だが差異のある責任」をベースにする必要性。
   SDGsとMDGsの関係について多くの懸念があげられている。
 ・持続可能な生産と消費の促進が多くのインプットで提案されている。
 ・情報および知識のプラットフォームの構築、経験を共有するパートナーシップの必要性。
 ・南―南の協調、南―南―北の関係構築。
 ・エネルギーについて、国連事務総長の”Energy for All”イニシアティブがサポートされている。
 ・について、MDG7の目標があるが、さらに2030年までに全人類の安全な飲み水の確保、
  および衛生を実現する提案。また、農業水や工業水、水力発電での水利用の効率化など。
 ・について、overfishingを促進するSubsidieの削減、違法な漁業のより強い取り締まり、
  海洋保護地域の拡大、および汚水管理の協力体制。
 ・その他、食糧の保障、持続可能な農業、持続可能な都市、グリーンな職・雇用および
  社会的inclusion、震災リスクの軽減およびレジリアンス、生物多様性と森林
などの課題も
  多く提案があった。
これらをどのようにゼロドラフトに反映させるか。行動計画に落とし込むとしたら、それは現行のアプローチや状況をどれほど前進させるのかが問われると述べた。

 ・また、広く持続可能性を実現する組織の必要性、特に進捗を確認し、国際的な経験や知識に基づきアドバイスする役割が求められている点にも留意した。

ShaZukang氏はゼロドラフトについて、交渉のための文書であり、交渉結果の文書ではないことを念頭におく必要があると述べた。





各国・ステークホルダーによるステートメント
(成果文書のゼロドラフトへのコメントとガイダンス)


以下他国と異なる内容を述べた部分のみ紹介:

国際開発目標

・コロンビアによるSDGの提案をサポートする。(Nepal、Iceland、Mexico)
・SDGはMDGsを補完するものであるべき。(Canada)
・リオ+20の成果はMDGsを補完するものであるべき、アジェンダ21をもとに作成し、
 新しいコンセプトや言葉は使うべきではない。(Cuba)
・開発途上国の各自の持続可能な開発の定義を尊重すること。(Russia)

グリーン経済・市場・エネルギー

・自然なグリーン成長ロードマップを作成中。(Cambodia)
・グリーン経済について企業参加に注目が向かっていることを懸念。(Venezuela)
・生産と消費の10年計画(CSD19)をサポートする。(Kenya)
金融取引税の採択の必要性。(労働者セクター)
石油がエネルギーの重要な資源であることの再認識の必要性。(Venezuela)
核兵器および核実験の廃止に合意した。長期的なエネルギーおよびエコロジー計画が必要。(Kazafstan)
都市化はGDPに大きく貢献する。資金源の解決の必要性。(Turkey)
・農業、特にグリーン農業の重要性。(Israel)
“La Via Campesina” movement。グリーン革命の失敗は繰り返されてはならない。(農業セクター)
・開発計画やグリーン経済へのシフトにおける、リスクの試算がまず必要。(Russia)


メキシコ代表

韓国代表

文化・教育・市民・権利

文化的ネットークが大事。韓国が橋渡しになれる。(Korea)
教育問題の重要性。(Bangladesh)
先住民の知見を尊重すること。(Guatemala)
もしニューヨークで神聖な教会が攻撃されたら、戦争が起こるだろう。
 それと同じように、私達に神聖な森や自然を攻撃しないでほしい。
(先住民セクター)
・女性セクターより4点提案:
 1.政府が男女平等を約束すること。
 2.女性の不平等を認めること。
 3.共有資源の私有化と商品化をとめること。女性の資源への権利を守ること。
 4.地球環境の劣化の原因は持続可能ではない消費と生産パターンであることの
   以前行った合意を再認識すること。(女性セクター)
・(11月のインプット案について) これが私たち自身で責任をとる覚悟のある将来です。
 (”This is the Future we are prepared to take care of.”)(若者・子どもセクター)
・計画をつくる過程で参加できなかった場合、実現する過程で参加できることは保障できない。
 ”if we are not to help in the process, we may not be able to help with
  the implementation”(自治体セクター)
市民セクターのあらゆるレベルでの参加の重要性。(Iceland)


若者・子どもセクター代表

労働セクター代表

先住民セクター代表

リオ+20での合意内容を実現するには

・2016年までに開発援助資金を倍にすることを約束。(Australia)
リオ+20資金に、今までの$9000に加えて$1000を提供することを発表。(Japan)

・多国間の“Green Bridge Partnership Programme”を実行中。(Kazakhstan)
アカウンタビリティーを実現する機能が必要。進捗をレポートする仕組み。(USA)
・グリーンロードマップには2段階必要:政策レベルと施行レベル。(Switzerland)
・リオ+20は2つのテーマが設定されているという意味で1992年や2002年の会議と異なる。
 2つのテーマに関する政治的コミットメントを約束する文書を目指すべき。
 2つのテーマに含まれない課題は区別して扱う。(Japan)
・過去の条約や目標から変更となる点の一覧文書が必要。(Switzerland)

リオ+20の成果文書について

・市民が成果文書を理解でき、持続可能な社会の実現に貢献できること。(Mexico)
・成果文書については事務局長の提案に賛成。Annexを別にする2案目に賛成。(Japan)
・Bureauが事前にCompilation Documentについて提案を出せなかったことが残念。(Japan)
成果文書を5ページ以内に収めるべき。Compendium(抄録)を提案(USA)
 すべてのステークホルダー、個人や企業、学校で理解されるものにすること。
 交渉を経た長い文書は効果がない。
 Compendiumの参考資料で各ステークホルダーからのインプットをそのまま集め、
  各国が選べる多様なオプションを残す。
・国、自治体レベルのガイドラインを用意し、各国に選択肢を与えること。(Czech Republic)


日本代表



政治グループによる発表:

Pacific Islands Forum Members  テキスト

China テキスト

Group of 77 and China  テキスト
 ・開発途上国の参加の重要性
 ・開発途上国への資金援助の重要性
 ・金融のモニターおよび金融システムの改革
 ・技術革新と研究のためのインセンティブの必要性
 ・グリーンエコノミーを検討する際のポイント:
  経済・社会活動が環境に害をもたらさないこと
  社会的包摂と平等
  国際協力と、持続可能な開発と貧困削減のための技術移転/アクセスと持続可能な
   生産・消費パターンを実現する多国間な枠組みを促進するツール
  開発のすべての側面とステージにおいて、多次元&あらゆるセクターからの参加方法
  市場経済に関わる生態系サービスの評価と計量方法の分析

European Union  テキスト
 ・EUが食糧および水問題についてリーダーシップを発揮できる。
  リオ+20は特にこの課題を優先するべきである。
 ・EUでグリーンエコノミー・ロードマップを作成している。

Least Developed Countries テキスト
 ・LDC(最貧困国)が強いサポートを必要としている。
 ・協調された援助がリオ+20の成功には不可欠。
 ・グリーン経済はLDCの能力向上を目的とするべきである。

Alliance of Small Island State  テキスト
 ・海は小島嶼国の生活手段である。
 ・世界中の人にとって、ブルー経済の課題、海の重要性がある。

Pacific Small Island Developing States  テキスト
 ・海の資源をより的確に把握する必要性。
 ・国連に海の専門組織を設けること。

Mr. Nassir Abdulaziz Al-Nasser  テキスト
 ・持続可能な開発の実現は他の条約や約束をネグレクトするものではない。

Granada (43 small island states)
 ・資金援助の少なさが問題。
 ・GDPは脆弱性を考慮した指標ではない。

Barbados (Caricom/Carribean group)
 ・会議の参加者の最大公約数を満足させるための内容であるべきではない。
 ・生産と消費の10年計画(CSD19)をサポートする。
 ・成果文書について、目的が形式を決めるべきであり、逆ではない。
 ・持続可能な開発は国際的な合意だけでなく、必ず各国のドメスティックなコミットメントがなければ効果がない。


クロージングセッション:

ShaZukang氏による意見のまとめ

リオ+20成果文書の構成とフォーマットについて:
 実行計画を伴う、2つのテーマに沿った政策文書への支持が多かった。
 将来像と政治的コミットメントの宣言、付録としてプレーヤーを明示する実行計画と期限、
  実現方法を作る案があった。
 コミットメントを実現するアカウンタビリティの管理方法が必要。

リオ+20成果文書の内容について:
 リオ宣言やこれまでの持続可能な開発に向けたコミットメントを再確認すること。
 貧困を削減するため、安定的な成長を取り戻し、将来の世代の自然と調和した健康と生産を
  保障すること。
 持続可能な開発のための計画の施行方法を提供すること。
 グリーンエコノミーについて、包括的で貧困を削減し、持続可能な開発を
  実現するものであるべきであること。
 国レベルの実行計画は、合意された原則と柔軟な政策オプションに従い、開発途上国には
 グリーン経済戦略を実現するためのキャパシティービルディングがサポートされるべきである。
 経験を共有するためのプラットフォームの構築。
 SDGsへの広い支持。

優先課題について:
 海、食糧、持続可能な農業、持続可能なエネルギーとアクセス、水へのアクセスと効率化、
  砂漠化、山、森林、生物多様性と気候変動。
 グリーン経済において、10YFPが重要な要素となること。
 男女・社会的平等と教育、技術へのアクセス、資金とキャパシティービルディングの重要性。

IFSDについて:
 UNEPを特別な組織へ強化する
 CSDを置き換える持続可能Councilの発足
 ECOSOCやUNGAなど研究組織をベースにした持続可能な開発のガバナンス

リオ+20成果文書のゼロドラフトについて、Bureauとコンサルテーションを行った上で配布すると発表。


第2回準備会合での参加者へ質問項目

全般:

 ・ゼロドラフト作成のため、配布された7つの質問項目に答える形で発表した国はかなり少数だった。
  あらかじめ用意された11月のインプット内容のまとめの読み上げる発表者がほとんど。
 ・UNGA President Nassir Abdulaziz Al-Nasser氏が主催する12月17-18日の会議では
  話し合いが進むかもしれないという見解もあった。
 ・今回の会合はこれまでのリオ+20のプロセスで最も多くの市民セクターの参加者がいた。
  400以上の団体の登録、同時中継の部屋でもスペースが間に合わないほどだった。

IISDレポートより:

 ・グリーン経済とIFSDについて多用な提案が集まっている。
  全体的な共通点としては国際、国、地域などあらゆるレベルでの持続可能な開発のための施策が
  必要ということ。同じ方法をすべての地域にあてはめるべきではないということ。
 ・多くの懸念があがっている点として、持続可能な開発に向けて進捗の確認/管理の必要性。
  コロンビアとグアテマラによるSDGsの提案は幅広く支持された。
  しかし、SDGの内容、進捗をどのように計り、管理するのかなど、合意にいたるには
  未確定な内容が多すぎるため、リオ+20までの限られた時間では、
  リオ+20の2つのテーマに沿って政治的コミットメントをまとめるべきという意見があった。
  http://www.iisd.ca/vol27/enb2712e.html


満席の会場


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|報告② 現地会合・イベント&ロジについて

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会合・イベント

本会合
 参加登録の受付を開始する。http://www.uncsd2012.org/rio20/index.php?menu=90
 Rio+20用のAccreditationも開始する。
 *WSSDのAccreditationがある団体は新しいAccreditationは不要。”Observer”参加になる。

People’s Summit
 リオデジャネイロのフラメンコエリアでPeople’s Summitを開催する。
 現地ロジはブラジル政府・UNCSD事務局と調整中。

市民セクターテント村
 ブラジル市民セクターがリオにテント村をつくる。
 ”市民による、市民のためのパビリオン。”3ヶ月前から開始。

Partnership Fairの開催
 UNDESAが”Partnership Fair”を開催する。近々PartnershipForumを作る予定。
 (市民セクター内での情報共有より。)

当日ロジの状況
資料:http://www.uncsd2012.org/rio20/content/documents/356Rio20%20NY%20English.pdf

会場:
・ リオセントロとリオ・ダウンタウンの2箇所がメイン、その他リオ各地を会場にする。
・ リオセントロの部屋割り公開。本会合の会場でもサイドイベントを開催する。
・ 市民セクターとのサイドイベントのリクエストは調整中。
・ 各会場でWeb配信して他の会場の状況がわかるようにする。
・ ラウンドテーブルのテーマ:
 poverty, food, energy&water, economics, innovation, sustainable cities, migration, oceans
 市民参加でラウンドテーブルを開催した後、その結果をハイレベル会合へ当日レポートする。
宿: 
・ 参加者の半分の人数分の宿しかない。ブラジル政府と交渉中。
交通手段: 
・5つの空港を使う。一番近い空港は政府・VIP用
・現地の交通手段は手配中。すごい混雑が予想される。



会場・ロジに関する問い合わせ先: rio20.sna[アット]itamaraty.gov.br


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|報告③ サイドイベントレポート

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① SDGs 

“Solutions for Rio +20 Outcomes: Sustainable Development Goals and Principles”










② 市民セクター

“Mobilizing Civil Society for Sustainable Development and Rio+20 & The Value of Youth Delegates to Rio+20”








③ ETC ”Earth Grab? Who will control the green economy?”

[PDFへリンク]




④ Women

“From Brown to Equitable Economy ‐ Women’s priorities for Rio + 20”








⑤ グリーンエコノミー (Invitation Onlyだったため不参加。下記資料のみリンク)

http://www.unemg.org/MeetingsDocuments/IssueManagementGroups/GreenEconomy/GreenEconomyreport/tabid/79175/Default.aspx#

[PDFへリンク]



その他会場の様子










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【リオ+20 6月までのイベント】

1月24-29日 世界ソーシャルフォーラム@リオ

毎年開催される11年目の数万人規模の市民フォーラム
登録受付中 http://www.forumsocialmundial.org.br/ 
 企画:Vitae Civilis


3月 South by South West@テキサス 

音楽フェスにリオ・気候変動のテーマの企画を持ち込む。新しい若いターゲット層を取り込む。http://sxsw.com/
企画:MobilizeUS


4月 アースデイ@グローバル

2012年アースデイのテーマを”Rio+You”で企画する

などなど・・


【市民セクターの動き】 第2回準備会合に出席していた市民/Youth中心に。

リオ+20市民セクター・ブラジル・ファシリテーションコミッティ

世界のブラジル大使館と市民セクターの連携によってグローバルな動きをつくろうとしている。
ユース、Stakeholder Forum, UNの橋渡しパーソンなどほとんどのところとネットワークができている。
http://cupuladospovos.org.br/en/

ブラジル市民セクター/Youth
テント村の設置。現地で必要なものなど市民セクターの要望を現在集めている。
Marina Silvaさんによるソーシャルメディア企画も進んでいる。

MobilizeUS
アメリカのリオ+20のムーブメント集約&ツールキット提供 
http://www.humanimpactsinstitute.org/MobilizeUS.php
リオ+20に向けた国連 “The Future We Want”キャンペーンのLaunch会見にも参加 http://www.unmultimedia.org/tv/webcast/2011/11/launch-of-a-global-conversation-the-future-we-want-in-the-lead-up-to-the-un-conference-on-sustainable-development-rio20.html

UN Volunteer 
リオ+20へのコミットメントを世界中から集めているソーシャルメディア
http://www.unv.org/en.html

We Canada
カナダでのMobilization
http://earthsummit.ca/

Rio+20 Global Youth Music Contest 
グローバルなYouth巻き込みリオ+20音楽企画 http://www.glocha.info// 
日本パートナーを募集中!(下記参照)

PeaceChildx模擬国連
リオ+20のテーマで模擬国連を行いYouthの参加を活性化
http://www.peacechild.org/

Unicef
コミュニティでのダイアローグ企画、コミットメントの視覚化プロジェクトを実施中。


【Rio+20 Global Youth Music Contestについて日本への招待】

・世界40カ国が参加しており、日本のYouthもぜひ参加してほしい!
日本の音楽や動画編集のクリエイティビティが見たい。

 Rio+20 Global Youth Music Contestとは、リオをテーマにした音楽PV制作のコンテスト。
 国内の音楽業界やリオ+20担当の政府団を審査員にして巻き込むことで盛り上げていく。
 Schedule 
 1月 MTVなどメディアとのYouthのための講習会を開催。
 2月 音楽PV作品提出の〆切
 5月 リオでの第3回準備会合でJanet Jacksonなど社会奉仕活動で
    活発なスターとコラボ企画を開催。
 6月 リオ+20で演奏(優勝者はリオへ招待!)
 7月 優勝者の作品を各国のテレビで放映。リオ+20後へつなげる。



備考:Youth・市民セクターの動きについて、またこの準備会合期間中にニューヨーク・タイムズスクエアで開催されたFuture We Wantキャンペーンなどについての次のレポートに乞うご期待ください!!